くみこ院長ブログ情報

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茶のしずく 最新情報!〜アレルギー学会より

2012年05月13日

本日、日本アレルギー学会春期臨床大会が大阪で開催されました。
今回は、私は臨床に役に立つことを中心に勉強してきました。

まず、興味深かったのは、小麦アレルギーになってしまう”茶のしずく”についての詳しい研究発表の数々です。これだけの社会問題になっているので、政府からもかなりの助成金が出て、藤田保健衛生大学、広島大学、相模原病院など多施設での見解が発表されました。

まず、茶のしずく 問題のおさらいから。
“茶のしずく”という、”お肌がつるつるになる凄い石けん”が、少し前に大ブレイクしました。でも、お肌がよくなるかわりに、とんでもない副作用が。。。
その石けんを使っていると、なんと小麦を食べて運動をすると”アナフィラキシーショック“になって倒れてしまったり、目の周りが真っ赤に腫れてしまうという事が多発しました。

原因は、その石けんに含まれる”加水分解小麦”が含まれていたことです。

それは、”グルパール19S”という小麦のタンパク成分でした。その成分を、石けんで皮膚のバリアを壊して毎日すり込んでいると、”小麦に対する抗体”というものを作ってしまい、次に小麦が体に入ってきたときに、アレルギー反応が起こるという仕組みです。

今まで小麦を食べても大丈夫だったのに、この特殊な小麦を肌から刷り込むことで、抗体を作ってしまい、小麦製品(ラーメン、うどん、パン、etc…)が食べられなくなってしまいます。

私のクリニックにも、茶のしずくを使用して小麦アレルギーになってしまった患者さんが何人かおられます。
もう、その人達は一生ラーメンやうどんを食べられないかもしれないのです。また、私たちの周りには小麦はあらゆる所に使われています。(しょうゆなどにも)その人達には、知らずして食べてしまったときに、生命を守るために”エピペン”という自分でする注射を携帯してもらっています。

少し難しいのですが、口から入った小麦アレルギーの患者さんは、ω5グリアジン、皮膚から入った小麦アレルギーの患者さんはα、β、γ、ω1,2グリアジンというタンパクに反応します。
茶のしずくに使われているグルパール19Sというアレルゲンは上記の色々なアレルゲンに交差反応するため、今後どの加水分解小麦にも反応してしまう可能性があります。

いつも、みなさんにお話しして言うのですが、”自然派”化粧品が一番危ないのです。今日の学会で、”キュウリパック”でキュウリアレルギーになった人の報告もありました。

世の中が悪いのか、なんなのか解りませんが、とにかくあまり皮膚に自己流ですり込まないことです。

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