くみこ院長ブログ情報
アレルギー専門医がおすすめする、抗アレルギー薬の選び方
2017年03月16日
アレルギー専門医がおすすめする、抗アレルギー薬の選び方
花粉症まっさかりです。
年に一度お薬を処方してもらいにこられる方で待合室はごったがえしています。
新しい抗アレルギー薬が出ると、そちらを希望される方もおられますし、毎年継続されるかたもおられます。
どの薬が一番よいのですか?
眠くなる薬はきついのですか?
といった疑問を投げかけられると、
“どのお薬も同じようなもんです。”
“眠くなる薬が効くという訳でもありません。”
とあまりぱっとした答えをとっさに答えられず申し訳ないので、一度私のアレルギー科としての勝手な見解をお話しいたします。
まず、抗アレルギー薬ってなんでしょう?
正確にはアレルギー症状を引き起こすヒスタミンを末梢で抑えるお薬のことです。ヒスタミンレセプターは体中に存在していて、特に脳で作用すると眠気を起こします。
今日、薬局の前を通ったら、
“ねむくならない薬あります”というノボリがありました。
抗ヒスタミン剤は、第一世代と第二世代に分かれますが、第二世代の方が眠くならないように作られています。
まず、第二世代の抗ヒスタミン剤。
・アレグラ(フェキソフェナジン)1日2回服用
一番眠くならないが効きも悪い。アメリカでは日本の3錠分を夜まとめて飲む。
日本では、1錠ずつ朝晩に分けて飲ませるので効かないのではないか。
・クラリチン(ロラタジン)1日1回服用
1日1回で良く、眠くもならないがアレグラと同じく効きが悪い。
レディタブはラムネのように口の中で溶けるので、7歳以上の子供によく処方します。
・ジルテック(セチリジン)1日1回服用
こちらも1日1回ですが、少し眠くなるのが難点。
私の印象では、眠くなる人とならない人の差が大きい気がします。後発もあるので、眠くならない人にはこちらを優先的に処方します。コスパよしです。
・アレロック(オロパタジン)1日2回服用
眠くなる人が多いのですが、私の中ではアトピー性皮膚炎の初診や花粉症で昼間も症状がある人には第一選択です。一日二回飲めるので、よく効きます。
ただし、食欲がでる、昼間ぼーっとするので車を運転する人には出しません。
・タリオン1日2回服用
田辺製薬という日本の企業がだしています。
二回飲まなければならず、効きもそんなに良くない気がするので、あまり出しません。
・ザイザル(レボセチリジン)1日1回服用
去年新しい薬が出ましたが、この薬が発売された時は、“最期の抗アレルギー薬”と言われたくらい、眠くならないのに一日1回でとっても良く効くと評判でした。前述のジルテックを眠くならないように改良しています。
しかし・・・やはり眠い人は眠いようです。
・エバステル(エバスチン)1日1回服用
効果が出る時間(オンセット)がとても長く、3、4時間かかります。
しかし、効果が緩やかに長く続くので、お薬を減量したいときに使う事もあります。日本の大日本製薬という会社が作っていて、昔はキティちゃんのシール等を作ってたので、子供の注射の後のご褒美に重宝していましたが、最近はなくなったそうです。
・アレジオン(エピナスチン)1日1回服用
一番頻用しています。
効果の発現時間が1時間以内ととても早く、眠気もほとんど来ず良く効きます。
ジェネリックもあるので、とってもコスパがいいです。
薬局ではアレジオン10というのがありますが、医療では大人には20を使います。薬局で買うと1錠100円くらいするらしいので、病院で処方箋で2週間以上もらう方がお得。
以上、私の勝手な赤裸裸見解ですが、ご参考まで。
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